FC2ブログ
07月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫09月

スポンサーサイト

--.--.-- (--)

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告

(8)食文化伝える目標自覚

2015.12.22 (Tue)

田川市鉄砲町の教室は1994年、鉱害復旧事業により更地にするとのことで、家主さんから移転を勧められた。運良くちょうど知り合いの持つビルに空きがあり、調理台とともに大移動をした。

 師範台を増やし、おしゃれな白い部屋に仕上げ、教室名も「大場クッキング」と改称した。伊田橘通り1丁目の銀天街に開いた新しい教室に心が躍った。
     *
 いまやシャッター街と化す銀天街だが、橘通り1丁目は活気が残る。銀行が新築され、赤村の農産物直売所、食料品店、化粧品店が連なる。教室の階下の碁会所には毎日、おじさんたちが集まってくる。

 田川伊田駅から徒歩2~3分の地は、北九州など遠方からの人たちに便利だし、地理を説明しやすい。内装費など諸経費の総額を目の前にして、もう趣味の範囲でやることではないと実感した。

 一方、通って来て下さる方々の負担にならないような月謝に設定した。スーパーや市場は自分で巡って安く仕入れた。新鮮な野菜や果物は夫とともに自家栽培を試みた。

 カルチャーセンターでハーブ講座を開く時には育苗し、その効果や料理法を会得したうえで、香りが体中に充満したような気分で臨んだ。まさに田舎の空気を都会へ送りこむ仕事だと思った。スローフードやスローな生活が話題になっていた時代にあって、難しいことは知らずとも、自分自身がその実践者だと思った。

 採れたての、みずみずしい季節野菜を料理で最高に演出しておいしさを伝えるのが自分の役目のような気がすると、レシピが思い浮かんでくる。
     *
 しかし、世の中の食は核家族化が進み、欧米化による肥満者の増加やファストフードの全盛、おいしいインスタント食品に惑わされる。セサミンやコラーゲン、青汁……。テレビCMは笑顔で健康食品の数々を呼びかける。

 若者たちは食べ過ぎによる栄養過多をダイエット食品で解決しようとする。今や国民の30%は糖尿病またはその予備軍と化し、医療費もパンク状態となった。新聞やテレビで目にする子供たちの凶悪事件が増え、家族や人と人との絆が希薄になるばかりだ。

 2005年、内閣府は食育基本法を施行した。知育、徳育、体育とともに、食育で広範囲に食を見直す時がきたのだ。

 料理教室は文部省(当時)認定(現・後援)の家庭料理技能検定4級と3級を教室で受験できる全国実施教室の認可を取得した。料理力向上の普及に、小さな料理教室だからできることを目指そうと考えた。

 それは生徒それぞれが、人として親や祖父母の役割を果たせるようになることだ。専門的に学びたい人には製菓師やシェフの方にお願いする実習も組み込んだ。

 私自身も調理技術指導員や調理師など食関係の国家資格を楽しみながら取得。自分の食べるごはんは自分で作れる、人として当たり前のことの普及に微力を注ぐ日々が続く。

 地方発信の食に日本料理の原点があり、消してはいけない食文化を大切に伝える新たな目標を自覚した。
スポンサーサイト
16:10  |  朝日新聞筑豊さんぽ道連載記事
 | HOME | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。