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トマト畑で、日が暮れて。

2011.08.12 (Fri)

 母の里帰りについて行くことが幼い頃の楽しみでした。
少し山深いその村は、村の人々が植えた桜並木の坂を登ったところにありました。
母の背で見上げた桜と空は、「天国が近い」と幼な心に鮮やかに残っています。

 小学校へ通う頃にはすっかり村の友達もでき、一緒に遊びました。
ある時、かくれんぼをしようと鬼になったりかくれたり・・・。
そのうち私は「しっかりかくれなくては」と、すぐそばにあったトマト畑へ入りました。
そこは細竹が組まれ、子供の私よりぐっと高くトマトを支えています。

トマト 

 トマトの青臭い香りと土の匂い。
太陽をさえぎった不思議な世界。
そして目の前にトマト、トマト、たくさん・・・。
ひとつちぎって、がぶり。
あたたかく、甘い汁がゆっくりと口の中に広がった後、また青い香りが 残りました。
誰も見つけに来てくれません。
そのうち、畑の溝の敷ワラの上でうとうと寝入ってしましました。

 「ここにおった!!」というため息混じりの母の声で目覚めると、あたりはすっかり日暮れていました。
母と妹でとても心配したそうです。

 87才になる母が今でもぽつりと話に出すときがある「トマト畑、行方不明事件」。
現在その場所には家が建っています。
トマトの香りに包まれて寝入る、今ではとうてい考えられないのんびりとした子供時代、遠い遠い日の思い出です。

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